上昇し続ける「金」価格…新NISAで買える「金」投信は?

世界的に有事ムードが高まり、株式市場が不安定な動きを見せるようになると、
たびたび安全資産としての金(ゴールド)に注目が集まる。

今回は、新NISAで実現できる、金投資のポイントについて解説する。

まず、金に期待する役割は、分散投資の一つのパーツ、「脇役」として考えた方がよい。
時間分散と資産分散の掛け合わせによってその効果が最大限に発揮される。
時間分散は、積み立てを実践することで自動的に実現できるが、資産分散を実践するには一工夫を加え、
性格の異なる資産を組み合わせる必要がある。
例えば、既に株式を保有、あるいは、積み立てているなら、金は格好の分散先と言える。

分散効果を着実に享受するに目安となる割合は、ポートフォリオ全体の10%程度、多くても30%程度と考えておくとよい。

新NISAで金に投資する方法としては、ETF(上場投資信託)と投資信託がある。
投資方針上、金価格の値動きをおおむね捉えるよう設計された追加型公募投資信託のうち、
新NISAの対象は16本(2024年4月末現在。すべて成長投資枠のみ)存在する。


※2024年4月末時点。

金価格のベンチマーク・参考指数としては、金現物取引の世界指標であるLBMA金価格が掲げられている。
LBMA金価格とは、ロンドン時間の午後に公表される1トロイオンスあたりの金現物価格(米ドル建て)のこと。
為替変動の影響を直接受ける「為替ヘッジなし」では円換算ベース、
為替変動リスクの軽減を図る「為替ヘッジあり」では円ヘッジベースがそれぞれ使われている。

金価格連動型は、一般的なアクティブファンドのように銘柄選定力を試されるものではなく、実際に、各ファンドの運用成績に大きな差は見られない。
単品で保有するというよりは、あくまでもポートフォリオの一部として取り入れるタイプの商品のため、特定のファンドにこだわりすぎない方が良い。

 

「為替ヘッジのあり/なし」はどう判断すれば良いか

外貨建て資産に投資を行わない「三菱UFJ 純金ファンド」を除く15ファンドを、為替ヘッジの有無で整理すると、「ヘッジあり」は8本、「ヘッジなし」は7本。
どのシリーズも、一般的に金価格は、株や米ドルの値動きと逆相関の関係にあるとされる。
市場でリスク回避的な動きがあり、米ドルベースの金価格が上昇する局面では、ドルが売られ、為替が円高方向に振れることが多い。
せっかく金価格が上昇しても、円高が進むとリターンも押し下げられてしまう。
したがって、理論上は、「為替ヘッジあり」を選んだ方が、為替変動による負の影響も取り除かれ、資産分散効果を着実に享受できる。

しかしながら、現実には金価格と米ドルは必ずしもセオリー通りの値動きを見せるわけではない。
現に、足元数年は、金価格が上昇しても、ドルが売られるどころか買われ、円安が進行している。
「為替ヘッジなし」を選び、為替変動を含む金価格の値動きをダイレクトに享受した方が良いだろう。

 

引用元:https://media.finasee.jp/articles/-/13496

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ミスター 島岡